この記事では「英語コーチになるには?」について書かせていただきます。
近年急速に人気が拡大している英語コーチング。みなさんも何らかの形で、この新しいタイプの英会話スクールを知り、英語コーチになろうと考えていると思います。
しかし英語コーチになるにあたって次のような不安や疑問があるかと思います。
- どれくらいの英語力が必要なんだろう?
- どれくらい給料がもらえるのだろう?
- 仕事は難しい?
- 資格は必要?
この記事ではそれら全てに対して的確にお答えします。
私自身、前職で多くの英語コーチングスクールを取材し、たくさんの英語コーチの方とお話しし、実際にレッスンを受けました。
その経験から英語コーチの裏側もかなり把握してますので、この記事では英語コーチを目指すみなさんにとって有益な内容となっているはずです。ぜひ最後までご覧いただけると幸いです。
英語コーチとは?
そもそも「英語コーチとは?」についてお話ししていきましょう。
一般的な英会話教室と英語コーチングの最大の違いは、
前者が「ティーチング(Teaching)」で英語力を上げるというアプローチをとるのに対し、校舎は「コーチング(Coaching)」でそれを実現する点です。
ティーチングとはつまり「知識を教える」ことです。例えば「現在完了形」「仮定法過去」などの文法を教えたり、単語の意味を教えたりするのがティーチングです。指示・命令型の答えを与えるコミュニケーションと言えます。
一方英語コーチングは、「答えを与える」のではなく「答えを創り出す」サポートを行います。 つまり答えを教えるのではなく、科学的に効果の実証されている英語勉強法や学習管理法、モチベーション維持の方法などを指導することで、
生徒様に自発的に英語を学んでもらうことで、英語力をアップさせるというアプローチです。
まさに「魚を与えるのではなく釣り方を教えよ」という言葉がピッタリなのがコーチングなのです。
英語コーチは具体的にどんな仕事をする?
英語コーチングスクールでは週1〜2回レッスンを行いますが、主に以下のようなサービスをします。
- マンツーマンでの課題発見
- 第二言語習得論をベースとした学習の提供
- LINEでのサポート
マンツーマンでの課題発見
英語コーチングスクールでは、生徒一人一人に合った最適な学習を提供します。
それを実現するために重要なのが「課題発見」です。
そもそも生徒様の英語力のどこに問題があるのか分からなければ、最適な学習の提案はできませんよね?
ですので、週1〜2回行われるマンツーマンのコンサルティングでは、生徒様がその週に行った学習の成果を確認します。
それもただ○×で確認するのではなく、「リスニングであればどこが聞き取れておらず、その原因が何なのか?「リーディングであれば、なぜその部分を読めないのか?単語や文法に問題があるのか?意味理解スピードに問題があるのか?」などを細かく観察する必要があります。
第二言語習得論をベースとした学習の提供
生徒様が持っている課題が発見できたら、次はそれを解決するための英語学習方法の提案です。
英語コーチングスクールでは、ただ教材をやらせるのではなく、一つ一つの課題に対して、第二言語習得論などをベースとした、効果が科学的に認められている方法を提案します。
またいくら科学的に認められた方法だとしても、やり方が間違っていたら、やっても何の意味もありません。
そのため英語コーチは、正しいやり方を指導します。対面での指導はもちろんのこと宿題をスクール外でも提出してもらい、やり方を事細かに指導します。
またレベル感の調整も英語コーチの仕事です。
正しいやり方であっても、レベル感があっていないと効果は出ません。しっかり生徒さんの英語力、そして上達具合を見ながらその状況に最もあった学習を提供します。
LINEでのサポート
英語コーチングスクールでは、スクール外でのサポートとして、LINEを使った「学習アドバイス」「学習進捗の確認」「宿題の確認」「モチベーション管理」などがあります。
ここも一般的な英会話教師との大きな違いですね。
英語コーチングでは、基本的にティーチングよりもコーチングがメインになりますので、あなたが行う授業よりも、授業外での生徒様の学習量と学習の質が重要になります。
それを高いレベルで保つのも英語コーチの仕事です。それが英語力向上に大きく貢献します。
ティーチング
英語コーチングと言えども、全くティーチングつまり「教えること」をしないわけではありません。
むしろ英会話教室と同じ以上のティーチング能力が求められます。
なぜなら英会話教室では基本的に教科書通りに指導すればいいので、あらかじめ知ってる答えを教えるだけですよね?
しかしコーチングの場合は、使う教科書は生徒様によって変わりますし、どの部分について質問されるかは、生徒さんがどこに疑問を持つかによって変わります。なので事前の準備が難しく、しっかりと英語力がないと詰まってしまう場合もあるでしょう。
英語コーチになるには?
英語コーチになるためには以下の能力や資格が求められます。それぞれ詳しく解説します。
- 英語力
- TOEIC・英検などの資格
- 指導経験
- コミュニケーション能力
- 第二言語習得論に関する知識
- 英語コーチングスクールに就職またはフリーランス
英語力
「ティーチングをしないってことは、英語力はそこまでなくてもいいのか?」と思うかもしれませんが、実際は逆です。コーチングの方が高い英語力を求められます。
実際どこの英語コーチングスクールもTOEIC850点以上と、一般的な英会話教室の先生よりも高い英語力が採用基準となっております。
なぜか?
一つはもちろん、生徒様に質問された時など、適切な指導ができないから。
そしてもう一つ。こちらが重要なのですが、
「ティーチングができるくらいの高い英語力がないと、コーチングはできないから」です。
なぜそう言えるのか?
理由は単純で、野球やったことがない人に野球チームの監督ができると思いますか?
ほぼ無理なはずです。なぜなら自分がバットを振ったことがないから、どうやれば打てるか分からないのです。自分がボールを投げたことがないから、どう投げ方を指導していいか分からないからです。
これは英語でも同じです。
英会話のティーチング、つまり自分が先生として教えれるレベルでなければ、話せるようになる方法を適切に指導することはできません。
英語力が低い人がコーチングをしても、生徒どこに課題があるのかも見えませんし、どんな学習をすれば効果的かもわかりません。だから英語コーチにも高い英語力が必要なのです。
TOEIC・英検などの資格
英語コーチになるために絶対に必要な資格などはありません。英語コーチになるための学校、セミナー、資格などがあるかもしれませんが、そのようなものは一切必要ありません。
しかしながら採用の際にTOEIC、英検のスコアは見られます。
具体的には「TOEIC850点、英検準1級」を一つの基準としている英語コーチングスクールが多いです。
これらはあくまで目安なので、それ以下のTOEICスコアでも英語コーチとして働けそうな英語力があれば採用されますし、それ以上でも落とされる場合があります。
しかしながら「入社後はTOEIC950点を目指していただく」と記載しているところもあるので、TOEIC850点というのはあくまで目安。
実際にはやはり高い英語力を持っている人材が求められています。
指導経験
英語コーチは未経験でもなることができます。英会話教室での指導経験がない場合でも、英語力があれば採用される可能性は高いでしょう。
しかし他の英会話教室での指導経験や、中学高校での指導経験を持っている方は採用されやすい傾向にあります。
実際ホームページにもそのように書かれていますし、私が知っている英語コーチの方も、以前は他のスクールや学校で教えてたという方も多くいらっしゃいます。
企業側からしても、ある程度教育に精通している人の方が、安心感があるので当然かと思います。
もちろん未経験の方のほうが多数なので、これから英語コーチになりたいとを考えの方はご安心を。
コミュニケーション能力
英語コーチという仕事は、お客様とのコミュニケーションが普通の英会話教室以上に多いです。
レッスンではお客様と会話をしたり、英語を聞きながら、どこに課題を抱えているのか理解する必要があります。スクール外でもLINEでのモチベーションサポートなどを行うので、コミュニケーション能力の高さはとても重要です。
また英語学習は続けることが大切です。生徒様が通い続けられるように、楽しみながら学んでもらうことも重要でしょう。
以上の観点から英語コーチになるにはコミュニケーション力も求められるでしょう。
第二言語習得論に関する知識
これは全く必須ではないのですが、あると採用されやすくなるという意味で書きました。
すでに述べたように、英語コーチンングスクールでは第二言語習得論をベースとした学習を提供することを大切にしているスクールが多いです。
ですので事前にそれらに関する知識を多少入れておくのは、採用される上で少し役立つかと思います。
英語コーチングスクールに就職、またはフリーランス
実は英語コーチになる方法は2通りあります。一つがどこかにスクールに所属すること。
もう一つはフリーランスになることです。フリーランスは集客やサービス作りなど、難しい点は多々ありますが、
その分得られる収入は大きいです。スクールで働く場合は30〜40万円が上限となりますが、
フリーランスの場合、生徒様からいただいたお金は全て自分のものになりますので、収入アップを狙うならフリーランスでしょう。
英語コーチになるためにすべき事
TOEIC850点以上を取る
英語コーチになるのであれば最低でもTOEIC850点はあった方がいいでしょう。これは2つの理由があり、1つは採用されるためです。
おおくの英語コーチングスクーるではTOEIC850点程度を採用基準にしているところが多いです。ですから最低でもそこは超えておいた方がいいでしょう。
もう一つの理由は、英語力を上げるためです。
TOEIC850点以下というのは、英語に関してあまりにも知らないことが多いです。語彙や文法に関しても抜けている知識が多いでしょうし、リスニングに関しても苦手な部分が多いと思います。
ですからこれを機にTOEICスコアを上げる過程の中で、英語力を上げてみてはいかがでしょうか?
そのほうが英語コーチとしてよりレベルの高い指導ができるはずです。
身近な人に英語コーチングをしてみる
個人的には英語コーチになる前に、身近な人に英会話の指導をしてみることをお勧めします。自分でやることで以下のことがわかるでしょう。
- 初心者は何から教えればいいのか?
- どうすれば理解してもらえるのか?
- どうすれば楽しんで英語を学んでもらえるか?
たとえ少ない経験だとしても、これらは面接の時に役立つはずですし、実際に採用され英会話講師として指導するときにも、いいスタートを切れるはずです。
また個人で教える経験をしたら、そのままフリーランスの英語コーチをできる可能性もあります。
留学などをして英語力に磨きをかける
もしご自身の英会話力に自信がないのであれば、留学などをして英会話力に磨きをかけることも必要でしょう。
英語での面接は、日本語での面接と違い対策をしても誤魔化せないので、英語力が足りない方は、それを上げるしかないです。
第二言語習得論に関する書籍を読んでみる
今まで第二言語習得論を知らなかったという方は、ぜひ英語コーチになる前に書籍を購入して読んでみてください。
「こうやれば英語は効率的に話せるようになるんだ!」と目から鱗の発見が多いはずです。
またそれについて学んでおくことで、採用の面接で英語学習に聞かれた際に、的確な受け答えができるでしょう。
英語コーチの魅力
近年、グローバル化が進む中で、英語力がますます重要視されるようになっています。
英語を教える専門家として活躍する英語コーチは、人々の英語力向上に貢献し、国際的なコミュニケーションをサポートする役割を担っています。
ですので今後もAIが進化しようとも、必要とされ続ける職業の一つとなるでしょう。
ここでは英語コーチの魅力について、それぞれご説明させていただきます。
自分の得意なことを仕事にできる
英語コーチの魅力はなんといっても、自分の得意なこと、自分の好きなことを仕事にできる点でしょう。
おそらく英語を高いレベルでマスターしている方の多くは、海外が好きだったり、新しい言語を学ぶのが好きだったり、英語が得意だったから今のレベルにまで達することができたのだと思います。
それを仕事にできるのは素敵なことだと思いませんか?
得意なことをやるわけですから、仕事を苦に感じることもないでしょうし、好きなことである英語を教えてるだけで、生徒様に喜んでもらえるわけですから、そんな天職はないと思います。
普通の会社で働いている多くの方は、得意でもなければ好きでもないことをしています。
それを考えたら、得意な英語を活かせる英語コーチはあなたにとって最高の仕事でしょう。
もちろん職場によっては大変なこともあるかもしれませんが、高い英語力を持っていて、ちゃんと指導できているのであれば文句も言われませんので、これほどいいことはないでしょう。
人々の成長の手助けを直接できる
英語コーチの魅力は、自分の得意なことである英語で、人々の英語力の向上をサポートし、自身とコミュニケーション能力の向上に貢献できること。
そして何といっても、それを目の前に見ることができ、直接感謝されることでしょう。
「先生のおかげでANAのCAになることができました。」
「先生に英語を教えてもらって、今ではアメリカに留学しています。」
「この前ビジネス英語を教えてもらって、プレゼンが上手くいきました。」
このようなことを言われたら最高な気分になることは間違い無いでしょう。
普通の仕事ではこのように自分がやったことの結果が目の前に現れたり、人々に直接感謝されるということはありません。
多くの仕事は細分化されており、自分が誰のために何をしているかすら見えにくいですし、感謝されることも滅多にありません。
それが英語コーチだとある。しかも接客業のような簡単な仕事ではなく、あなたにしかできない英語のスキルを使った結果感謝される。これは英語コーチの魅力でしょう。
日本のためになる
英語を教えることは、日本のためになります。これは仕事をする上で大きなやりがいとなるでしょう。
知っての通り、多くの日本人は英語を話すことができません。義務教育で何年も英語の授業を受けているにも関わらずです。これはつまり6年近くの時間を無駄にしたといってもいい。
そして英語ができないことで、日本企業は確実にグローバル経済の中で損をしています。
あなたが英語を教えることで、生徒様の英語力が上がり、ひいては日本がより豊かになることに貢献できるでしょう。
在宅ワークが可能な場合がある
英語コーチングサービスの中にはオンラインに特化したところも多いです。また校舎を構えているスクールでも、オンライン化が進んでいます。
そのため在宅ワークが可能なことも多いです。通勤する必要がないのは楽でいいですよね。
絶対在宅ワークがいい方は、オンライン特化型の英語コーチングサービスを選びましょう。
副業ができる
英語コーチは副業が可能な場合もあります。可能であるパターンは2つありまして、
一つは「料金の安いサービスの英語コーチになる」。2つ目は「すでに英語コーチとしての経験がある」。
料金が安いサービスの場合、サービス内容も少ない場合が多いです。そこまで高い英語力を必要ないこともあり、副業として働くことができます。
プロとしての英語コーチというよりは、どちらかというと英語カウンセラーのようなイメージです。
一方英語コーチとしてすでに経験がある方の場合は、即戦力になるので、英語コーチングスクールからすると短時間でも働いてもらえると嬉しいです。
なので経験のある方は隙間時間で英語コーチの副業もできるでしょう。
まとめ:英語力があるなら英語コーチを目指そう
この記事では「英語コーチになるには?」について書かさせていてだきました。
今まで聞いたことがない職業ですから、「ハードルが高いのかな?」と感じていた方も多いと思いますが、実はそんなことはありません。
求められる英語力は普通の英会話教室の先生と同じくらいです。ただし提供するサービス内容は全く異なります。
英語コーチングスクールでは、生徒様に合わせてテキストを選定したり、日々の学習内容を提案するので、その部分に難しさがあるでしょう。
しかしながらそれが「あなたにしかできないこと」ですので、大きなやりがいを感じれるはずです。
ぜひ英語コーチになるために、スクールに応募してみてください。
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