この記事では「英語講師に必要な資格は?」についてお話しします。
英語は世界で最も広く使われている言語のひとつであり、その教育は国際的なコミュニケーションを促進し、人々のキャリアや人生に大きな影響を与える重要な役割を果たしています。
英語講師は、この責任ある役割を担うために、専門的な知識やスキルが求められることが多いです。そのため、英語講師を目指す人々は、適切な資格を取得することが重要となります。
本記事では、「英語講師に必要な資格は?」と題し、英語講師に求められる資格について詳しく解説します。まず、英語講師に必要な主要な資格「TOEIC」「英検」「TOEFL」「IELTS」「TESOL」について紹介し、それぞれの特徴や違いを説明します。
次に、国内の英語教員免許や教育関連の学位など、その他の関連資格についても触れます。
さらに、資格取得に向けた準備や勉強法についても解説し、読者が自分に合った資格選択や学習方法を見つけられるようサポートします。
この記事を通して、英語講師を目指す皆さんが資格取得の意義を理解し、自身のキャリアアップに役立てることができることを願っています。
英語講師に必要な資格は?
結論から言うと、英語講師になるために資格が必要となるのは、中学・高校の英語教師になる場合のみです。それには教員免許が必要となります。
他の英語関連の仕事に関しては、資格がなくてもなることができます。
ただし多くの英会話スクールでは、「TOEIC」や「英検」の結果を応募資格としていたり、ない場合にはそれと同等の英語力を必要としている場合がほとんどです。
ここでは以下の英語講師の仕事の種類別に、求められる資格とそのスコアについて解説します。
- 中学校・高校の英語教師の資格
- 英会話講師の場合
- 英語コーチの場合
- TOEIC講師の場合
- オンライン英会話講師の場合
- 子供向け英会話講師の場合
中学校・高校の英語教師に必要な資格
中学・高校の英語教師になるためには教員免許が必要です。ここでは高校の英語教師を例にとりますが、以下のステップを踏む必要があります。
- 必要な学位の取得
高校教師になるためには、少なくとも大卒以上であることが必要です。英語教育、言語学、文学など、英語に関連する分野での学位取得が望ましいですが、他の分野でも教職に必要な条件を満たしていれば問題ありません。
- 教員免許の取得
高校の英語教師になるためには、教員免許が必要です。日本では大学の教員養成課程を修了し、試験に合格することで免許を取得できます。
- 教育実習の経験
教員養成課程には、実際の学校での教育実習が含まれています。これを通じて、教室での指導方法や教育方針を学ぶことができます。
- 就職活動
学位と教員免許を取得したら、高校での英語教師の職に応募しましょう。公立高校や私立高校、国際高校など、さまざまなタイプの学校で英語教師の求人があります。選考プロセスには、履歴書や職務経歴書の提出、面接、模擬授業などが含まれることが一般的です。TOEICスコアなど英語系の資格を持っていると印象が良いでしょう。
英会話講師に必要な資格
普通の英会話教室の講師になる上で絶対に必要な資格は特にありません。
しかしながら多くの英会話教室では以下のような採用基準が設定されています。
- TOEIC800点以上
- 英検準1級以上
- またはこれらと同等以上の英語力をお持ちの方。
学校の先生の場合は、教員免許があれば、英語を話せなくても先生になれてしまいますが、英会話教室の英語講師の場合は、実力が全て。
英語ができるかどうかで、採用か不採用かが決まります。英語力を測る一つの指標がTOEICや英検などの資格となっています。
資格がなくても以下の経験がある人であれば、採用されやすいでしょう。
- ビジネスで英会話を実際に使っていた経験がある
- 英語を使って海外勤務をしていた
- 英会話講師として一年以上の経験がある
英語コーチに必要な資格
英語コーチとは、近年人気がある「英語コーチング」というタイプの英会話スクールの英語講師のことを指します。
普通の英会話教室では、単語や文法や発音など英語に関する知識を教えることや、会話練習を一緒にたくさんすることに重点が置かれていました。
一方英語コーチングスクールでは、生徒様が自分で英語学習を進めていけるようにコーチングするのが仕事です。そのためにまず生徒様の英語力をこと細く分析した上で、第二言語習得論などをベースとした科学的に効果が認められている英語学習法を提案します。
その他にもLINEでのスクール外でのサポートなど、まさに英語のパーソナルトレーニングといったイメージです。
前置きが長くなりましたが、英語コーチに必要な資格は、普通の英語講師同様特にありません。
しかし各スクールが採用基準を設定しており、それらは普通の英会話教室よりも厳しめに設定されています。
- TOEICテスト850点以上
- または同等以上の英語力がある方
- 入社後はTOEIC950点以上を目指していただく。
普通の英会話教室では800点を基準にしてるところが多いですが、英語コーチングでは850点のところが多い印象です。
この原因は、英語コーチングスクールがハイレベルなサービスを提供することに主眼を置いており、生徒様が支払う授業料も比較的高額だからです。
また講師の給料も高いので、結果的に求められるTOEICなどの英語の資格も高く設定されています。
TOEIC講師に必要な資格
TOEIC講師になるために必要な資格はいうまでもなくTOEICです。次のように他の英語講師の仕事に比べて厳しい応募条件が設定されています。
- TOEIC950点以上
- 英検1級
稀に採用基準を850点以上、900点以上としているところもありますが、実際採用されるのは最低でも950点を持っている人となると思います。
なぜならTOEIC990点を持っていても、TOEICの問題を100%完全に解説することは難しいわけですから、
950点というのはかなり知識に欠けがあることを示しています。ですからTOEIC講師になるのであれば最低でも950点です。
オンライン英会話講師に必要な資格
オンライン英会話の日本人英語講師になるための必要な資格は特になく、採用基準も普通の英会話教室などと比べると、以下のように低いです。
- TOEIC®TEST 750点以上
- 英検準一級以上
- 資格不問
資格不問としているとこもまでもあります。
しかしながら資格がなくても書類は通るかもしれませんが、面接の段階で落とされる可能性は高いと言えるでしょう。
なので英語力を上げる意味でも、何らかの英語の資格を取得するべきでしょう。
子供向け英会話講師の場合
子供向けの英語講師の場合も特に必要な資格などはなく、以下のように普通の大人向け英会話教室よりも低い採用基準になっています。
- 短大卒以上の方
- 外国人講師と英語で日常会話程度のコミュニケーションが取れる方。(資格・経験不問)
英会話講師の「資格と年収の関係」
日本における英会話講師の平均年収は、経験や勤務形態、教育機関の種類によって異なりますが、おおよそ300万円から600万円程度とされています。
フルタイムで働く講師の場合、年収は400万円~500万円が一般的ですが、経験やスキル、資格によってはそれ以上の年収も可能です。パートタイムや契約社員の場合は、年収がやや低めになることが多いです。
上記のこと以上に最も年収に影響を与えるのが、やはり「資格」でしょう。資格は言い換えれば「英語力」です。
高い英語力がある人は、レベルの高い英会話スクールに勤務することができます。ハイレベルのスクールでは受講生が払う料金も高いので、講師の給料も高い傾向にあります。特に英語コーチングは他と比べると高いです。
ここでは以下それぞれの「資格と年収」の関係を示していきます。
- 大手英会話教室の講師
- 英語コーチングスクールの講師
- 一般的な英会話教室の講師
- TOEIC講師
- 子供向け英会話教室の講師
- オンライン英会話の講師
大手英会話教室の講師
イーオン(https://aeon.hito-link.jp/entry/front/entry/detail.asuka?matterId=100009&entryOriginCd=)
必要な資格など | 給与 | |
正社員 | TOEIC®L&R 850以上、英検準1級以上 。ワーキングホリデー、海外留学などの海外経験歓迎 | 月給210,000円~ |
ECC(https://www.ecc.co.jp/recruit/search/list?type=2&job_cd=01,02,08,09)
必要な資格など | 時給 | |
非常勤講師(企業・大学で英語講座) | 目安としてTOEIC®L&R850点以上、英検®準1級、 TOEFL®(PBT)530点以上、またはこれらと同等以上の英語力をお持ちの方。 | ¥2,500/時~ |
英語コーチングスクール
ENGLISH COMPANY
必要な資格など | 給与・年収・時給 | |
正社員 | 大卒以上。TOEIC850点以上または同等以上の英語スキルがある方。先進的なことが好きな方 ●英語の専門的な知識がある方(大学等で専門的に英語を学んだ方は特に歓迎) ●新しい英語教育に取り組みたい方 ●学校・塾等での英語の指導経験のある方歓迎 ※未経験者、第二新卒者歓迎 | 月給 30 万円 ~40 万円(初年度年収350万円~500万円) |
非常勤 | <大卒以上かつ下記1つでも該当する方> ■TOEICテスト850点以上、または同等以上の英語力がある方 ■TESOLやCELTA、中学・高校の英語教員免許などの英語教育資格をお持ちの方 ■海外留学経験がある方 ■学校・予備校・塾等での英語の指導経験がある方 ■英語教育、言語学などについて大学等で学んだ方 ※Wワーク可 | 1コマ90分:4000円~ 事務作業(研修含む):時給1,200円~ |
【朝枠7:00-9:00】プロ講師(非常勤) | 同上 | 1コマ90分:5000円~ 事務作業(研修含む):時給1,200円~ |
PROGRIT
必要な資格など | 給与・年収 | |
正社員 | 【下記どちらかを満たす方】 ■英語力をお持ちの方(目安:TOEIC最低800点相当以上) ■海外への留学経験がある方 TOEFL/IELTS/英検の資格・スコアももちろんOK 点数・英語力はあくまで目安です。意欲・人柄重視の選考を行ないます。 入社後、ゆくゆくはTOEIC950点を目指していただきます。 年2回、当社実施のTOEIC IPを受けていただきます。英語コンサルタント同士で勉強できる他、社内教材も使用でき、スコアアップを目指せる環境が整っています。 | 月給 280,000円 ~ |
トライズ
必要な資格など | 給与・年収 | |
正社員 | ビジネスレベルの英語力 (TOEIC700点以上同等レベルであればスコアは不問) ◆ 最終学歴:大卒以上 (国内外問わず) ◆ 言語学系修士号・TESOL資格保持者優遇 【尚可】 ◆海外留学・ワーキングホリデーの経験 ◆英語使う仕事での就業経験 | 月給 241,000円 ~ 283,000円 (※想定年収 3,200,000円 ~ 4,500,000円) |
一般的な英会話教室の講師
NESイングリッシュスクール
必要な資格など | 時給 | |
アルバイト・パート | ・大卒以上の方 ・実用英検準1級以上、TOEIC800点以上相当の資格 ・英語力、会話力、文法力のある方 ・子ども好きで愛情をもって接することのできる方 | 時給:2,200円 ~ 3,200円 |
TOEIC英語講師
アイザックエデュケーション
必要な資格など | 給与 | |
アルバイト・パート | TOEIC950点、英検1級 | 時給3,000円 |
子供向け英会話講師
セイハ英語学院
必要な資格など | 給与・年収 | |
正社員(スケジュール管理や保護者対応、生徒情報管理、教室装飾等) | ■短大卒以上の方 ■外国人講師と英語で日常会話程度のコミュニケーションが取れる方。(資格・経験不問) ■子どもが好きで、教育に興味・関心のある方。 | 月給 204,900円 ~ 204,900円 (※想定年収 2,868,600円 ~ 2,868,600円) |
ペッピーキッズクラブ
必要な資格など | 時給 | |
パート・アルバイト | 英語が好きな方 ◆高卒以上の方 ◆月1回のミーティングや 年5回の研修への参加が可能な方 | 1,600~2,500円 |
オンライン英会話の講師
必要な資格など | 時給 | |
ネイティブキャンプ | (以下の条件にひとつでも当てはまる方) ・TOEIC®TEST 750点以上 ・英検準一級以上 ・海外経験1年以上 ・英語講師歴1年以上 | 1レッスン(25分):約800円 |
DMM英会話 | 資格不問 ※18歳以上の方はどなたでもご応募いただけます。 ※日本国籍をお持ちの方 | 時給1350~1450円程度 |
レアジョブ | 社会人経験3年以上 CEFR B1(Speaking) 以上 選考時に受験していただく、 弊社のSpeaking Test及び文法テストに通過した方(目安: TOEIC LR 730点相当) 月120レッスン(60時間程度)以上提供可能な方(1レッスン25分) オンラインでレッスンを行いながらタイピングのできる方 日本在住で日本の銀行口座をお持ちの方 | 1レッスン(25分):800円(税込) |
エイゴックス | 英検準1級以上 TOEIC800点以上 ※または上記と同等の英語力 | 1レッスン :600円からスタート |
英語講師になるにはTOEIC800点が最低条件
結論、英語講師になるには最低でもTOEIC800点の資格が必要です。オンライン英会話でもそのくらいの英語力を求めるところは多いですし、
大手英会話教室では800点、英語コーチングスクールでは850点を基準としているところが多いです。
またこれらの数字はあくまで最低ラインですので、実際採用されるのはもっとスコアの高い方々でしょう。
ですので英語講師を目指すのであれば、とりあえずTOEICの勉強から始めましょう。
英語講師として採用されるには資格だけでは不十分
英語講師になる資格としてTOEIC800点が最低でも必要だと書きましたが、もちろんそれだけでは英語講師にはなりません。採用までに以下のような壁があるからです。
- 英会話力がないと面接で落とされる
- 小手先で取ったTOEICスコアだと筆記試験で落とされる
- 教える能力がないと模擬授業で落ちる
英会話力がないと面接で落とされる
当然ですがいくら資格でいいスコアを持っていたとしても、英会話ができないと英会話講師になることはできません。資格のスコアで書類は通過できるかもしれませんが、
採用では英語面接もありますから、そこで落とされる可能性が高いでしょう。
オンライン英会話では、生徒様のほとんどが初心者なので、日常会話レベルの英会話力があれば採用されるかもしれませんが、
大手英会話教室や英語コーチングなどでは、ビジネスの世界でバリバリ活躍している優秀な生徒様も多いので、ビジネスシーンで通用するような英語力が必要となるでしょう。
小手先で取ったTOEICスコアだと筆記試験で落とされる
英語講師の採用では筆記試験もあります。TOEICや英検などの資格でいい成績を持ってる方にとっては簡単かもしれませんが、
小手先のテクニックなどでたまたまTOEIC800点を超えたパターンなど、本質的な英語力がないと、ここで振るい落とされてしまう可能性があります。
ですので資格を取ることだけに固執せず、ちゃんと英語力を身につけることも英語講師になる上で重要でしょう。
教える能力がないと模擬授業で落ちる
英語講師の採用では、模擬授業をさせられるところも多いです。資格であなたの英語力が高いことを証明できても、教えるのが苦手だと落とされてしまう可能性があります。
もちろん教えるのが初心者の方も多いでしょうし、採用後の研修でどうにでもなるのですが、あまりにもぎこちない場合は不利になるかもしれません。
ですので資格を取ることも重要ですが、日頃から誰かに英語を教える練習をしておくといいかもしれません。
英会話講師の面接から採用まで
英会話講師の面接から採用までの流れは、塾講師のそれと似ていると思います。概ね以下の内容になります。
- 日本語での面接
- 英語での面接
- 英語能力試験
- 模擬授業
日本語での面接
日本語での面接では、普通の仕事と同じように以下のことが聞かれるでしょう。
- 自己紹介
- なぜ英会話講師になろうと思ったのか?
- なぜ当スクールに応募しようと思ったのか?
- 海外留学などの経験は?
- 長所
- 短所
- 入社後に目指すこと
- いつから働けるか?
- 勤務地
英語での面接
これはあなたの英会話力を測るための面接です。
質問内容はスクールによって異なるでしょうが、日本語での面接の内容とほぼ同じものを英語で行うこともあります。
また、どれほどの指導力があるかを測るために、英語の単語や文法に関する以下のような質問もあるかもしれません。
「What is the difference between “could” and “can”?」
「When someone is lost, how would you speak to them in English?」
回答はどれが正解というより、以下の点が見られていると考えましょう。
- 英会話力があるか
- 指導力があるか
- 筋が通った説明ができているか
- 英語の知識は十分にあるか
- 臨機応変な対応ができているか
- わかりやすい説明ができているか
いずれにせよそれなりに英語力あれば問題ないでしょう。日本人ですから、英語の知識に限界はあるのは採用側も承知です。
問題は限られた知識の中でも、生徒様に理解してもらえる説明力があるかどうかでしょう。
英語能力試験
面接も英語能力試験の一部ですが、そのほかにも筆記試験もあります。こちらは主にリーディング力やライティング力をみるものになりますので、TOEIC800〜900以上の資格がある方なら特に対策がなくとも通過できるでしょう。
模擬授業
スクールによっては模擬授業をさせるところもあります。実際行われる形式で授業をさせて、英語の知識があるか、そして教える素質があるかを判断します。形式はスクールによって異なりますが、採用側の人が生徒役を行うこともあります。
いずれにせよ英語の知識があって、正解不正解を論理的に説明できる能力があれば問題ありませんので、TOEIC900点以上の資格がある方はご自身の英語力に自信を持って、リラックスして臨むことが重要です。
まとめ:資格よりも本質的な英語力が必要な時代
本記事では英語講師になるために必要な資格について解説させていただきました。
もしかしたらTOEIC800点というのが大きなハードルに感じた方も中に入るでしょう。
しかしながらTOEIC800点は誰にでも到達可能なスコアです。本当に努力次第で誰にでも取れる資格です。
ですので英語講師になりたいと考えてる方はぜひ諦めずに勉強を頑張ってください。
そしてその先に、本当に難しい部分が待ってますので。笑
800点というのはあくまでスタートラインです。そこから考え始めます「本質的な英語力とは何だろう?」と。
もちろんその過程の中で英語講師にはなれると思いますが、ぜひ講師になった後もご自身のためにも、お客様のためにも自己研鑽を続けていただければと思います。
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