この記事では「英会話講師になるには?」という疑問にお答えするべく、数々の英会話スクールを取材してきた私が、英会話講師になる方法をご紹介します。
英会話講師になるには
英会話講師になる上で必要なことは次の3つ。
- 英語力
- TOEIC・英検などの資格
- 指導経験
- コミュニケーション能力
必要な英語力
当然ですが英会話講師になるには、それ相応の英語力が必要です。以下を採用基準にしているところが多いです。
「TOEIC800点以上、英検準1級以上」
スクールによって異なりますが、最低でもこのレベルで、高い給料がもらえるレベルの高い英会話スクールでは、TOEIC850点以上としているところもあります。
おそらく英会話講師になることを考えている多くの方は、TOEIC800点ほどを持っていると思いますので、採用基準は難なく通過できるのではないでしょうか?
TOEIC・英検などの資格
先ほど述べた通り、TOEIC800点程度あればとりあえず採用基準は通過できるのですが、
TOEICや英検の資格を必須としているところは少なく、それと同等の英語力があればOKとしているところは多いです。
なので「中学卒業後からずっと海外生活で、英語はペラペラだけど、TOEICは受けたことがない」「夫の海外赴任で5年ほど海外にいて、日常英会話は完璧」といった方は英会話講師になることができるでしょう。
指導経験
これもスクールによるのですが、英会話講師としての指導経験はなくてもOKとしているところが多いです。
高い収入がもらえるところでも未経験OKのところは多いので、高い英語力がある方でしたら、レベルの高い英会話スクールに応募してみることをお勧めします。
どこのスクールも充実した研修システムがあり、指導方法もマニュアルがあるところがほとんどなので、未経験の方もご安心ください。
コミュニケーション能力
英会話講師にはコミュニケーション能力も求められます。
もちろん教え方は重要ですが、それと同じくらい、生徒様に楽しんで英語を学んでいただくことも重要です。
英語学習は続けることが大切です。生徒様が通い続けられるように、楽しみながら学んでもらうことも重要でしょう。
またこれは指導力ともコミュニケーション能力とも言えるのですが、生徒様のどこに課題があるのかを知る能力も大切です。
生徒様の課題を見つけて、それをピンポイントで解決する方法を提供してあげることは英会話講師の仕事です。
英会話講師の面接から採用まで
英会話講師の面接から採用までの流れは、塾講師のそれと似ていると思います。概ね以下の内容になります。
- 日本語での面接
- 英語での面接
- 英語能力試験
- 模擬授業
日本語での面接
日本語での面接では、普通の仕事と同じように以下のことが聞かれるでしょう。
- 自己紹介
- なぜ英会話講師になろうと思ったのか?
- なぜ当スクールに応募しようと思ったのか?
- 海外留学などの経験は?
- 長所
- 短所
- 入社後に目指すこと
- いつから働けるか?
- 勤務地
英語での面接
これはあなたの英会話力を測るための面接です。
質問内容はスクールによって異なるでしょうが、日本語での面接の内容とほぼ同じものを英語で行うこともあります。
また、どれほどの指導力があるかを測るために、英語の単語や文法に関する以下のような質問もあるかもしれません。
「What is the difference between “could” and “can”?」
「When someone is lost, how would you speak to them in English?」
回答はどれが正解というより、以下の点が見られていると考えましょう。
- 英会話力があるか
- 指導力があるか
- 筋が通った説明ができているか
- 英語の知識は十分にあるか
- 臨機応変な対応ができているか
- わかりやすい説明ができているか
いずれにせよそれなりに英語力あれば問題ないでしょう。日本人ですから、英語の知識に限界はあるのは採用側も承知です。
問題は限られた知識の中でも、生徒様に理解してもらえる説明力があるかどうかでしょう。
英語能力試験
面接も英語能力試験の一部ですが、そのほかにも筆記試験もあります。こちらは主にリーディング力やライティング力をみるものになりますので、TOEIC800〜900以上ある方なら特に対策がなくとも通過できるでしょう。
模擬授業
スクールによっては模擬授業をさせるところもあります。実際行われる形式で授業をさせて、英語の知識があるか、そして教える素質があるかを判断します。形式はスクールによって異なりますが、採用側の人が生徒役を行うこともあります。
いずれにせよ英語の知識があって、正解不正解を論理的に説明できる能力があれば問題ありませんので、TOEIC900点以上ある方はご自身の英語力に自信を持って、リラックスして臨むことが重要です。
英会話講師の魅力
近年、グローバル化が進む中で、英語力がますます重要視されるようになっています。
英語を教える専門家として活躍する英会話講師は、人々の英語力向上に貢献し、国際的なコミュニケーションをサポートする役割を担っています。
ですので今後もAIが進化しようとも、必要とされ続ける職業の一つとなるでしょう。
ここでは英会話講師の魅力について、それぞれご説明させていただきます。
自分の得意なことを仕事にできる
英会話講師の魅力はなんといっても、自分の得意なこと、自分の好きなことを仕事にできる点でしょう。
おそらく英語を高いレベルでマスターしている方の多くは、海外が好きだったり、新しい言語を学ぶのが好きだったり、英語が得意だったから今のレベルにまで達することができたのだと思います。
それを仕事にできるのは素敵なことだと思いませんか?
得意なことをやるわけですから、仕事を苦に感じることもないでしょうし、好きなことである英語を教えてるだけで、生徒様に喜んでもらえるわけですから、そんな天職はないと思います。
普通の会社で働いている多くの方は、得意でもなければ好きでもないことをしています。
それを考えたら、得意な英語を活かせる英会話講師はあなたにとって最高の仕事でしょう。
もちろん職場によっては大変なこともあるかもしれませんが、高い英語力を持っていて、ちゃんと指導できているのであれば文句も言われませんので、これほどいいことはないでしょう。
人々の成長の手助けを直接できる
英会話講師の魅力は、自分の得意なことである英語で、人々の英語力の向上をサポートし、自身とコミュニケーション能力の向上に貢献できること。
そして何といっても、それを目の前に見ることができ、直接感謝されることでしょう。
「先生のおかげでANAのCAになることができました。」
「先生に英語を教えてもらって、今ではアメリカに留学しています。」
「この前ビジネス英語を教えてもらって、プレゼンが上手くいきました。」
このようなことを言われたら最高な気分になることは間違い無いでしょう。
普通の仕事ではこのように自分がやったことの結果が目の前に現れたり、人々に直接感謝されるということはありません。
多くの仕事は細分化されており、自分が誰のために何をしているかすら見えにくいですし、感謝されることも滅多にありません。
それが英会話講師だとある。しかも接客業のような簡単な仕事ではなく、あなたにしかできない英語のスキルを使った結果感謝される。これは英会話講師の魅力でしょう。
日本のためになる
英語を教えることは、日本のためになります。これは仕事をする上で大きなやりがいとなるでしょう。
知っての通り、多くの日本人は英語を話すことができません。義務教育で何年も英語の授業を受けているにも関わらずです。これはつまり6年近くの時間を無駄にしたといってもいい。
そして英語ができないことで、日本企業は確実にグローバル経済の中で損をしています。
あなたが英語を教えることで、生徒様の英語力が上がり、ひいては日本がより豊かになることに貢献できるでしょう。
英会話講師になるためにすべき対策
TOEIC800以上のスコアを取る
もし英会話講師になりたい方の中で、まだTOEICを受験されてない方は、一回受けて見ましょう。
それがあった方が採用されやすいのもありますし、ご自身の英語力を客観的にみる意味でもやってみたほうがいいです。
もしスコアが足りてないのであれば、まだ英会話講師になるのに必要な英語力が足りていないということなので、英語力を上げる必要があります。
またTOEIC800点以上を持つことは自信にもつながるかと思いますので、ぜひ。
身近な人に英会話の指導をしてみる
個人的には英会話講師になる前に、身近な人に英会話の指導をしてみることをお勧めします。自分でやることで以下のことがわかるでしょう。
- 初心者は何から教えればいいのか?
- どうすれば理解してもらえるのか?
- どうすれば楽しんで英語を学んでもらえるか?
たとえ少ない経験だとしても、これらは面接の時に役立つはずですし、実際に採用され英会話講師として指導するときにも、いいスタートを切れるはずです。
また個人で教える経験をしたら、そのままフリーランスの英会話講師をできる可能性もあります。
留学などをして英会話力に磨きをかける
もしご自身の英会話力に自信がないのであれば、留学などをして英会話力に磨きをかけることも必要でしょう。
英語での面接は、日本語での面接と違い対策をしても誤魔化せないので、英語力が足りない方は、それを上げるしかないです。
英会話講師の種類
英会話講師には以下の種類があります。
- 英会話スクール講師
- 英語コーチ
- TOEIC講師
- オンライン講師
- フリーランス講師
英会話スクール
これが一番ベーシックな英会話講師ですね。子供向けから大人向けまで日本全国に多くの英会話スクールがあります。
大手英会話教室はネイティブ専門のところも多いですが、日本人講師を採用しているところもあります。ECCやイーオン、シェーン英会話では日本人を募集していたりします。
また大手ではネイティブ講師と一緒に仕事できるので、仕事をしながら英語力を磨くこともできるでしょう。
英語コーチ
英語コーチとは、英語コーチングスクールの英語講師のことを指します。近年高い人気を誇っているタイプのスクールで、以下のような特徴があります。
「第二言語習得論をベースとした科学的英語学習」
「個々人に合った英語学習の提案」
「LINE等でのパーソナルサポート」
普通の英会話教室では、英語の知識を教えることが仕事ですが、英語コーチは英語の勉強の仕方を教えることや、モチベーション管理をしてあげることが仕事です。
イメージ的には英語のパーソナルトレーナーです。
給料も普通のスクールと比べると高いのでおすすめです。求められるTOEICスコアは800点以上としているところも多く、また指導方法に関してもしっかり研修があるのでご安心ください。
TOEIC講師
これは英会話を教える仕事ではないですが、英会話が得意な方は必然的に高いTOEICスコアも取れるので、TOEIC講師になることも可能です。
TOEIC講師の方が給料が高い場合も多いですし、TOEICの方が英会話よりも答えが明確にあるので、指導しやすいという点でも個人的にはおすすめです。
また生徒様の英会話力を上げるより、TOEICスコアを上げる方がはるかに簡単なので、あなたの仕事も評価されやすいでしょう。
オンライン英会話
オンライン英会話の中には日本人講師を募集しているところもあります。
まだ英会話を始めたばかりで、外国人の先生とのレッスンが難しい方など向けのレッスンを行います。
在宅でできる仕事のことも多いのがいい点です。しかしながらオンライン英会話自体が格安のサービスですので、給料は安い可能性があります。
フリーランス講師
英会話講師にはフリーランスという道もあります。
英会話力が十分にあり、指導力もあり、集客ができ、マネタイズもできるのであればフリーランスでも全然いいと思います。
自由度の高い働き方ができ、自分が思う最高のやり方で生徒様の英語学習サポートをできるのがいい点です。
英会話講師の仕事内容
英会話講師がどんな仕事をするのかも気になると思います。これらもスクールによって大きく異なりますが、以下主な仕事内容です。
- 授業の準備
- 授業をする
- 生徒の学習状況の確認
- 宿題等の添削
- LINEでのサポート
授業の準備
英会話講師の仕事の中でも、授業の準備は非常に重要度が高く、最も時間をかけている部分の一つになるでしょう。
マンツーマンレッスンの場合には、前回まで生徒様が学んでいた内容を見たり、今回学ぶ部分を事前に確認しておく必要があります。自分が教えられるか不安なところは、事前に調べておく必要があるでしょう。
グループレッスンの場合は、その日来る生徒様を確認し、当日行う授業の内容を考えておく必要があります。
また授業前にテストをするスクールの場合にはその準備も必要になります。
授業をする
英会話講師のメインの仕事は授業をすることです。
生徒の学習状況の確認
自分の授業をした結果、ちゃんと生徒様の英語力が上がっているかをチェックするのも必要なことでしょう。
もちろん英会話は数字で測れる能力ではないので、それを示すのは難しいのですが、何らかの記録を残す必要があるスクールもあります。
特に最近流行りの英語コーチングスクールでは、結果が出るのが売りなので、会社としてもそこを重視しています。やり方としては、週1回のコンサルティングの際に、テストを行なって確認を行なってます。
宿題等の添削
英会話は週に1回通っただけではできるようになりませんので、宿題を出すスクールもあります。その場合、オンラインや対面授業の際に添削を行うことになります。
LINEでのサポート
普通の英会話スクールではありませんが、英語コーチングスクールではコーチによるLINEでのサポートがあります。
生徒は英語に関してわからないことなどがあればLINEでいつでも聞くことができ、またシャドーイングなどの添削もLINEなどを使い行われています。
英会話講師の給料
英会話講師の給料は1,150〜2500円ほどです。スクールによって大きく差が開きます。
料金の安いカジュアルな英会話スクールの場合は、講師の給料も安いです。
一方ハイクラスな英会話スクールの場合は受講料も高額ですので、講師の時給も2500円ほど行く場合もあります。
まとめ:英会話講師はやりがいのある仕事
本記事では「英会話講師になるには?」について書かせていただきました。
英会話講師は、なるハードルが高いイメージがありますが、実際にはそこまで難しくありません。TOEIC800点台を持っていれば高い確率でなれます。
どこのスクールも英語ができる日本人が足りてないので、1社落とされたとしても他で採用可能性は大いにあります。
しかしなるのは簡単ですが、英会話講師としての仕事は楽ではないかもしれません。レベルの高いスクールでは、それなりの成果を求められるかもしれませんし、レベルの高い授業をする必要があります。
お客様が高いお金を払ってる場合、それ相応のサービスを求めているので、それに見合わないと思われると、厳しい言葉をいただくかもしれません。
しかし全体的に見れば、英会話講師は自分の得意を活かせて、尚且つ人助けをできる仕事でやりがいを感じられるはずです。
ぜひ頑張ってください。
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